【合志市】歯の寿命・歯周病・口臭…タバコが歯に与える影響とは?
- 2025年9月6日
- 患者さまからのQ&A
皆さんこんにちは!
合志市の楓の森歯科クリニック院長の白濱です。
いつも医療コラムをご覧いただきありがとうございます。
本日はタバコと歯周病の関係についてです。
喫煙をされている方の中にも禁煙したいなと思いつつもなかなか簡単にやめられない方もいらっしゃるかもしれません。
実際に喫煙がどのように影響するのか気になる方もいらっしゃると思います。
本日はタバコが歯や歯ぐきにどのような影響を及ぼすのか紹介させていただきます。
「タバコは体に悪い」とは誰もが知っていることですが、実はお口の中、特に歯周病にとって大きなリスクになることをご存じでしょうか。歯周病は日本人が歯を失う一番の原因であり、喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病の発症率・進行スピードが2〜3倍高いといわれています。
さらに、タバコは歯周病の症状を隠してしまうため、「気づいたときには重症化していた」というケースも少なくありません。
では歯周病の症状を隠すとはどういうことでしょうか?
非喫煙者の方で歯周病が進行している方の場合、歯ぐきから出血があることが多いです。
また出血がある場所に対して歯ブラシの当て方の一緒に練習したり、歯石や感染物を取り除くことによって炎症が改善すると
出血がなくなることが多いです。
☆歯ぐきから出血するとなぜよくないの?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんので簡単に説明させていただきます。
実は歯周病は歯周病菌という細菌によって起こる病気です。
歯周病菌の中には顎の骨を溶かす力の強いものからそうでないものまでさまざまな種類のものが存在します。
そして歯周病菌は血液の中の鉄分とタンパク質を栄養分として繁殖していきます。
つまり歯ぐきから出血するということは歯周病菌が繁殖できる栄養分がそこに多く存在するということなのです。
一方で喫煙者の方の歯ぐきからの出血量は一般的に少ないといわれています。
これはタバコの煙に含まれるニコチンや一酸化炭素は、血管を収縮させ、歯ぐきへの血流を悪化させるからです。
出血が少ないなら細菌は繁殖しにくいし良いことでは?と思われたかもしれませんが…
⇒血液が十分に届かないと、歯ぐきは酸素や栄養を受け取れず弱ってしまい、細菌への抵抗力が下がります。
その結果、歯周病菌が繁殖しやすくなるのです。
喫煙者の方の場合出血量が少ないため患者さまご自身では歯周病の症状に気が付きにくく、また身体の抵抗力が下がっているため歯周病の治療に対する治り方も非喫煙者の方よりも時間がかかることが多いです。
そのため、「自分は大丈夫」と思っているうちに歯周病が進行し、気づいた時には歯がグラグラ…ということもあります。
喫煙者に多いお口のトラブル
①口臭が強くなる
⇒タバコの臭いだけでなく、歯周病による口臭が加わるため、周囲に不快感を与えてしまいます。
②歯ぐきの黒ずみ
⇒メラニン色素が沈着して、歯ぐきが黒ずんで見えることがあります。
③治療の成功率が下がる
⇒インプラントや歯周病治療、さらにはセラミック治療などの成功率が非喫煙者より低くなることが分かっています。
治療後の回復が遅れたり、再発率が高まるのです。
☆タバコと歯周病の組み合わせが及ぼす影響
①糖尿病
⇒喫煙者は血糖コントロールが悪化しやすく、歯周病と相乗的にリスクが高まります。
糖尿病のコントロール値であるHbA1cと歯周病の状態は相関関係があるといわれており
歯周病の改善が認められればHbA1cの値が0.4~0.7%改善したという報告もあります。
②心疾患・脳血管疾患
⇒歯周病菌が血流を介して全身に広がり、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞のリスクを上げることが知られています。
③妊娠中のリスク
⇒早産や低体重児出産のリスクを高めると報告されています。
妊娠を希望している方や妊婦さんにとっても重要な問題です。またパートナーの方も知っておくべきことかと思います。
禁煙で得られるお口のメリット
「今から禁煙しても遅いのでは?」と心配される方もいますが、禁煙を始めた瞬間からお口の環境は改善し始めます。
①歯ぐきの血流改善 → 歯周病治療やインプラント治療の効果が高まる
②口臭の減少 → タバコ臭だけでなく、歯周病由来の口臭も改善
③見た目の改善 → 歯ぐきの色が健康的になり、笑顔に自信が持てる
禁煙によるお口の変化は意外に早く、数週間〜数か月で実感される方も少なくありません。
タバコは歯周病を悪化させるだけでなく、治療効果を下げ、全身の病気にもつながるリスクがあります。
しかし、禁煙することで歯周病の進行を抑えられ、治療の成功率も上がり、口臭や見た目の改善といったメリットも得られます。
楓の森歯科クリニックではこのようなお悩みを抱えられている患者さまを全力でサポートさせて頂きます。
なかなか話しづらいお悩みかもしれませんが、遠慮なくご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。