そのかゆみ、歯の金属が原因かも!?金属アレルギーと歯科治療の関係とは!?
- 2025年8月15日
- 楓の森歯科クリニックの取り組み
皆さんこんにちは!
合志市の楓の森歯科クリニック院長の白濱です。
いつも投稿をご覧いただきありがとうございます。
タイトルのとおり本日は歯科治療における金属アレルギーとの意外な関係について
ご紹介させていただきます!
金属アレルギーというと大げさに聞こえる方もいらっしゃるかもしれませんが、アクセサリーとつけた後しばらく皮膚のかぶれやかゆみが出る方は実は多くいらっしゃるかもしれませんのでそのような方もぜひご覧いただけると幸いです。
☆金属アレルギーとは
金属が唾液や汗で溶け出し、金属イオンとして体に取り込まれることで免疫反応が起こる状態です。症状は口の中だけでなく、手や顔、全身の皮膚に出ることもあります。
ただし、金属アレルギーだからといって、すべての口腔内の金属を外す必要はありません。まずは皮膚科でのパッチテストを行い、どの金属にアレルギー反応が出るのかを明確にします。反応がない金属であれば、口腔内で安全に使用できる場合があります。
歯科で使う「金銀パラジウム合金」と「コバルト・クロム合金」、そして金属アレルギーへの対応を紹介します。
☆歯科で使われる代表的な金属について
金銀パラジウム合金(保険診療で広く使用)
日本の保険診療で長く使われてきた代表的な歯科用合金です。
金属の部分的な詰め物や被せもの、ブリッジなどが挙げられます。
俗に言う銀歯というものです。
金(Au)12%以上・銀(Ag)40%以上・パラジウム(Pd)20%以上を主成分とし、そのほかにも銅(Cu)や微量のインジウム、亜鉛などを含みます。
【特徴】
– 強度・加工性・適合性のバランスが良く、詰め物や被せ物、ブリッジなどに使用される
– 保険適用で費用負担が少ない
– パラジウムや銅など、一部の金属はアレルギー反応を起こす可能性がある
コバルト・クロム合金(義歯の骨格に使用)
コバルト(Co)とクロム(Cr)を主成分とし、モリブデン(Mo)やシリコンなどを含む合金です。部分入れ歯の金属床や入れ歯のばねの部分などに広く使われます。
【特徴】
– 高い強度と耐久性で、義歯を薄く軽く作れる
– 耐食性が高く、長期間安定して使用できる
– クロムやコバルトに感作歴がある場合は注意が必要
☆ 治療の進め方
金属アレルギーが疑われる場合でも、いきなりすべての金属を取り替えるのではなく、口腔全体の健康状態を整えることが第一です。
まずは現在の皮膚症状が口腔内に起因するものであるか?レントゲン上で感染源があるかなどを確認します。
そのあと現在の状態を詳しく皮膚科の先生に伝え必要に応じてパッチテストを行っていただきます。パッチテストとはどのような金属に対して患者さまがアレルギー反応を示しているかを調べる検査です。
重要なのはどの金属に対してアレルギー反応を示すかについてはこのパッチテストの結果を見ないとわかりませんし歯科で使用する金属が原因ではない場合もあります。
– 根の先に病変があるか(レントゲンで確認)
– 歯周病の状態(炎症や歯ぐきの出血、歯石の付着など)
こうした感染源を取り除く治療を先に行い、その上で金属の置き換えを検討します。
実は金属を除去する前に根の先の感染源の除去や歯周病の治療のみでも皮膚症状が改善したという報告もあります。
☆医科との連携
当院では、皮膚科との連携を積極的に行い、検査結果に基づいた治療計画をご提案しています。
パッチテストでアレルギー反応のある金属を特定し、それを避けた材料(セラミック・チタン・高純度金など)を用いることで、機能性と安全性の両立を目指します。
まとめです。
金属アレルギーは原因金属を特定することが重要です。
金属アレルギーの疑いがある⇒口腔内のすべての金属を除去し、やり替える必要があるという考え方は違うと思います。
ただ、 まずは口腔内の感染源を除去するだけでも皮膚症状が改善したという報告もあり、全身の健康も考慮した治療を行います。
そして 皮膚科と連携して、原因を特定し患者さまとしっかりと相談したうえで安心できる素材選びをサポートさせていただきます。
楓の森歯科クリニックでは一般的な歯科治療だけでなく、金属アレルギーの方の口腔内のご相談や歯科治療も多く行っております。
ご不明な点等あればお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。